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【SS】とある昼下がりのバイク事情 


「ああ、いたいた。暦、いま時間あるか?」
「なに?兄さん」


いまは日曜の昼下がり。午前中にとある郵便物を受け取った俺は、
自室に戻るところの妹を見つけて声をかけていた。


「父さんから通帳が届いたんだ。暦、バイク欲しがってたろ?
『もうすぐ誕生日だし、僕のヘソクリから費用出していいよ』ってさ」
「………………あがって」


無言だが、期待している感じのオーラを漂わせる暦と一緒に部屋へ入る。
妹はこの世代の女子には珍しくバイク好きだ。
来月で16歳になったらすぐに免許を取得して乗り回したかったらしいのだが…
バイトもしていない高校生だと、いくら小遣いを溜めてもバイクを買うのは厳しい。

金策に頭を悩ませていた妹にこれは朗報のはずだった。
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【SS】たとえばこんな2月前半 

「あら?あずにゃん。台所にいるなんて珍しいでございますわね?」


日曜の早朝、珠緒が朝飯の仕込みをする前の食堂。
俺はそこでちょうどチョコを湯煎しているところだった。
この時間には誰もこないと思っていたが、
セレナが声をかけてきたのに驚かされ、手を止める。


「そういうおまえこそ、なんでこんな時間に
…いや、説明しなくてもいいわかった」
「ちょっと、何か言う前に会話を切るのやめてもらえませんこと?
……まぁ、確かにあずにゃんの予想通りで御座いますわ」


顔色を見りゃわかる。こいつ、同人誌を描き上げるために徹夜してたな。
それで、一段落して顔を洗いにきたってところか。

普段は美容だなんだと生活ペースを気にするくせに、
こういうときはぶっ倒れるまで無理をするやつだ。
そのあたりは本人の自由だが、徹夜のたびにお見せできないほどの
凶悪フェイスになるのはやめていただきたいと真剣に思う。


「そういうあずにゃんは…バレンタインの準備でございますか。
まだ時期は早いですし、本番用を作る前の練習といったところですわね」
「正解」


幼馴染だけあって、こいつも説明なしに大体の事情を理解したようだ。
毎年、もらうだけでは変化が無いので唐突にこっちからもチョコを用意
してみようと思ったのだが…その特に理由もない「なんとなく」具合も
すべて察したらしい。


「凝り性のあずにゃんのことですから、素材もかなりいいものを使うつもり
でございましょう?いったい何人分準備する気ですの?」
「それを今回の試作で見極めようと思ってる。
あまり無理して準備しても、相手に気を遣わせるだけだしな」
「へぇ…そこそこ学習してますのね。
あの見栄っ張り小学生が変わったものですわ」
「それはお互い様だろ、元箱入りお嬢様」


軽口を叩きながら、俺は作業の続きを始めた。
セレナも何が面白いのか、テーブル側からこちらを
覗き込んでときおり頷いたりしている。
あれこれ口出ししてくるかと思ったが、眠くて頭が働かないのだろう。


「試食する気でいるなら、あと20分は起きてろよ」
「大丈夫ですわ。ついでに、あずにゃんがこっそり買い溜めしてる
ドリップコーヒーも出すで御座います」


こいつめ、いつのまに気付いていやがった。
まぁいいか、チョコには珈琲くらいつけたいと思うのは男女共通なのだろう。
セレナの味覚は確かだし、一人で黙々と練習するよりよほどいい。

ニコニコする幼馴染を半ば実験台認定しながら、
俺は型に流し込んだチョコを冷ましはじめるのだった。









「あ、もちろん別途妹へ贈る感謝チョコも試食させていただけますわよね?」
「あ え て 言 葉 に す ん な 恥 ず か し い っ!!」

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■運動会後■ 

「つ、疲れた…」

 時計を見ると20時を回って、窓の外には無駄に豪華なライトアップ。
今日は学園の運動会(といっていいのかわからんくらいの規模だが)だった。

 そしていま、自身が代表をやっている部室の机に突っ伏して発したのがその一言である。
檸檬が用意していたお茶をがぶ飲みし、イベントが終わりゆく
余韻に浸っているときのことである。このままのんびりと
休んで寮に帰ろうかというときに…ときに…

「まったく、普段から鍛えてないモヤシが無茶するからでございます」

 反対側で、ふーいい汗かきましたわーといいつつ(実際には汗一つかいてない)
幼馴染が相も変わらずこっちを挑発してきた。学園指定の体操服が
どうにも似合っていないのは欧州人っぽい外見のせいか無駄に豪華なスタイルのせいか。

「鍛えてるよっジムで最低限…さいてい、げん…だいたいおまえが
いまだピンピンしてるのだって“走るのは胸が痛いから嫌”とかいって
大抵の競技をさぼりまくったからだろうが」
「おーっほっほっほ。参加したところで全校生徒の前で妹によって
運搬されるという羞恥プレイをかましたあずにゃーが何か叫んでいますわー」
「言うなぁぁぁぁあああ」


 あれからどんだけ知人に弄られたと思ってんだ。
なんだ、まだ元気じゃないかとこちらも全然体操服(男物)が似合っていない
アルをスルーして、さてどうやってこの幼馴染を論破してやろうかと
気合いを入れなおしたときだった。

遅れて部室に入ってきた暦がふとこちらを見て首をかしげる。


「兄さん、嫌だった?」
「そんなわけないだろう暦。むしろよくやってくれたと」


このシスコンが、と割と本気で白けた目を向けてくる幼馴染など無視無視。
これが自分の性分なんだから仕方ない。ああ、楽しかったさ。
おまえと一緒に何かするのは何だってな。


「おーい、皆。まだまだ騒ぎたいのはわかるけど、もうそろそろ帰る準備をしないとね」


 檸檬の言葉で時計を見やれば流石に21時を回って、教師陣もさっさと帰れと音頭を取り始めた。
セレナとの口論で30分以上無駄にしてたというのか。校舎の照明も、人のいないところからどんどん落とされているようだ。
そして、校庭からは最期の花火とばかりに赤々としたキャンプファイヤーの光が見える。

やば、せっかくだから俺も最後の催しには参加しとこう。

「暦。最後に一曲俺と踊って帰らないか?」
「別にかまわないんだ。行こう」
「そこで目の前の金髪美少女(彼氏なし)に目もくれないあたりがあずにゃんでございますわね」

まぁまぁ私も眼中になかったみたいだよヒドイネーと檸檬に窘められながら、
ケッと毒づく幼馴染など放っておくとも。グラウンドに向かって歩きつつ
俺は改めて仲間に恵まれていることに感謝するのだった。

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