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【SS】たとえばこんな2月前半 

「あら?あずにゃん。台所にいるなんて珍しいでございますわね?」


日曜の早朝、珠緒が朝飯の仕込みをする前の食堂。
俺はそこでちょうどチョコを湯煎しているところだった。
この時間には誰もこないと思っていたが、
セレナが声をかけてきたのに驚かされ、手を止める。


「そういうおまえこそ、なんでこんな時間に
…いや、説明しなくてもいいわかった」
「ちょっと、何か言う前に会話を切るのやめてもらえませんこと?
……まぁ、確かにあずにゃんの予想通りで御座いますわ」


顔色を見りゃわかる。こいつ、同人誌を描き上げるために徹夜してたな。
それで、一段落して顔を洗いにきたってところか。

普段は美容だなんだと生活ペースを気にするくせに、
こういうときはぶっ倒れるまで無理をするやつだ。
そのあたりは本人の自由だが、徹夜のたびにお見せできないほどの
凶悪フェイスになるのはやめていただきたいと真剣に思う。


「そういうあずにゃんは…バレンタインの準備でございますか。
まだ時期は早いですし、本番用を作る前の練習といったところですわね」
「正解」


幼馴染だけあって、こいつも説明なしに大体の事情を理解したようだ。
毎年、もらうだけでは変化が無いので唐突にこっちからもチョコを用意
してみようと思ったのだが…その特に理由もない「なんとなく」具合も
すべて察したらしい。


「凝り性のあずにゃんのことですから、素材もかなりいいものを使うつもり
でございましょう?いったい何人分準備する気ですの?」
「それを今回の試作で見極めようと思ってる。
あまり無理して準備しても、相手に気を遣わせるだけだしな」
「へぇ…そこそこ学習してますのね。
あの見栄っ張り小学生が変わったものですわ」
「それはお互い様だろ、元箱入りお嬢様」


軽口を叩きながら、俺は作業の続きを始めた。
セレナも何が面白いのか、テーブル側からこちらを
覗き込んでときおり頷いたりしている。
あれこれ口出ししてくるかと思ったが、眠くて頭が働かないのだろう。


「試食する気でいるなら、あと20分は起きてろよ」
「大丈夫ですわ。ついでに、あずにゃんがこっそり買い溜めしてる
ドリップコーヒーも出すで御座います」


こいつめ、いつのまに気付いていやがった。
まぁいいか、チョコには珈琲くらいつけたいと思うのは男女共通なのだろう。
セレナの味覚は確かだし、一人で黙々と練習するよりよほどいい。

ニコニコする幼馴染を半ば実験台認定しながら、
俺は型に流し込んだチョコを冷ましはじめるのだった。









「あ、もちろん別途妹へ贈る感謝チョコも試食させていただけますわよね?」
「あ え て 言 葉 に す ん な 恥 ず か し い っ!!」
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